内臓が弱っていても膝が痛くなる?

中高年の膝の痛みで最も多い疾患である変形性膝関節症。予備軍も含めると数千万人とも言われておりほとんどの方が一定の年齢を超えると膝に痛みを訴えることになります。変形性膝関節症は整形外科を受診し、X線(レントゲン)などの画像診断の結果、膝関節(ひざかんせつ)の軟骨がすり減っていて「変形性膝関節症」と診断されます。日本の法律上医師にしか診断権はないため医師が「変形性膝関節症」と診断すれば変形性膝関節症であることは間違いありません。しかし、今現在膝に痛みを感じている根本原因が変形性膝関節症でないこともあります。膝の軟骨自体には痛みを感じる「痛覚」は存在しません。X線(レントゲン)上、膝関節(ひざかんせつ)の隙間は狭まっているが膝に痛みを起こしていない方はとても多くいらっしゃいます。(予備軍とよばれることもあります。)

X線で軟骨がすり減って膝関節の狭小化がみられてもイコール膝の痛みが出るという事ではないのです。そのため膝が痛いといって整形外科でX線(レントゲン)を撮って画像上関節の狭小化が見られたとしても、現在の膝の痛みが変形性膝関節症からくる痛みとは断定することはできません。

東洋医学では「内臓(腎)が弱ると膝に痛みがでる」と言われたり、その他の代替医療でも肝臓の疲労や衰弱が膝痛を起こすなどと言われています。内臓が弱って膝が痛むことはあるのでしょうか?

「膜」の概念で考えると内臓が弱ると膝に痛みは起こる。

ここ最近テレビなどで耳にすることの多い「筋膜(きんまく)」という組織ですが、筋膜は体全体が一枚の膜に覆われています。足の先から頭までつながっており、内臓も包みます。内臓は弱ったり病変があると臓器の位置が微妙にズレると言われています。筋膜はあまり伸長する組織ではなく、どちらかというと硬いゴムのような組織で、引っ張られると牽引力がかかると言われています。例えば肝臓が弱っていると肝臓の位置が本来ある位置からズレることになります。その際に肝臓を包んでいる膜が引っ張られ体全体を覆う筋膜を引っ張ることになります。その際に膝に牽引力がかかれば膝痛を引き起こします。

内臓の衰弱により筋膜を引っ張って膝に痛みを起こしている場合、いくら膝を治療しても膝痛からは改善しないことになります。逆に膝を治療しなくとも肝臓に対してアプローチすれば膝の痛みから改善する可能性も十分あります。

今ではあまり「膜」の概念で身体を診ることが少なかったのですが、近年筋膜の概念が訴えられるようになってからは内臓が及ぼす筋骨格系への影響も明確になりつつあります。

膝が痛いからといって膝の周りの筋肉、靭帯、関節などをいくら治療しても治らないことがあります。体全体を診ていかないと膝痛はなかなか改善しないでしょう。

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