変形性膝関節症が女性に多い理由とは?

中高年の方々で、膝の痛みを抱えている方が増えています。整形外科に行くと「変形性膝関節症」と診断を受けることになります。膝は体重の負荷が大変かかる関節です。加齢による骨の代謝低下や軟骨への負担で膝痛が起きます。


「立ち上がる時に痛みが出る」、「階段の降りや歩き出しに痛みがある」などの症状から始まり、やがて「長い時間歩いていると痛む」から「歩いていると常に痛む」「膝が曲がらなくなる」という症状に変わってきます。中高年の9割以上がこの「変形性膝関節症」と言われています。男性より女性に多いのが特徴です。

変形性膝関節症が女性に多い理由がいくつかあります。

筋肉量が男性より少ない

男性に比べて、女性のほうが筋肉量が少ないため、関節にかかる負担が多いと言われています。「筋力低下が変形性膝関節症になる原因だから太ももの筋肉をよく鍛えるように!」とお医者さんに言われた方は多いのではないでしょうか?たしかに筋力があったほうが膝を痛める予防にはなりますが、私は「筋力低下=膝痛」ではないと考えています。

臨床現場でも多くの変形性膝関節症の膝痛の方を治療する機会がありますが、全ての方が「筋力が少ない」と感じるわけではありません。

仮に筋力低下が原因なら私のおばあちゃんは間違いなく膝痛になっているはずです。私のおばあちゃんはあまり外出することもなく、運動を一切やってなくて、毎週末孫が遊びにくることを楽しみにしているおばあちゃんでした。母の話ではおばあちゃんは昔から「1日出かけたら3日寝込む」みたいな生活をしている、決して筋力も強くないおばあちゃんです。現在は施設に入っていますが88歳にして今まで膝の痛みを訴えたことはありません。慢性的な肩こり・頭痛、腰痛などの治療を何度もしたことがありますが、「膝が痛い」と言ったことは一度もありません。ですが、現在は筋力が弱く外出しても100メートル続けて歩くとヨロヨロしてしまうくらいです。

仮に「筋力低下」が変形性膝関節症の原因であるとしたらおばあちゃんはとっくに「膝が痛い」と訴えているはずです。

加齢とともに基礎代謝が低下して、太りやすく関節にかかる負担が増える

体重と膝痛の関係はとても深いです。歩行時に片脚立ち状態になった際に膝にかかる負荷は体重の3~4倍。階段の登り降りでは6~7倍もかかると言われています。
仮に50キロの人なら歩いていて膝にかかる負担は200キロ
60キロの人なら240キロ!!階段では420キロもかかります。

体重が増えれば増えるほど膝にかかる負荷は倍々となるため体重はできるかぎり落としたほうが変形性膝関節症の痛み緩和や予防につながります。

しかし、体重が重い方でも治療をすると体重が減らなくても痛みの改善をするケースが多々あります。その後もメンテナンスで1カ月1回から2ヶ月に1回の治療で痛みの再発なく旅行に行ったり楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。

そうなると体重は確かに大きな要因の一つにはなりますが、根本原因ではないのです。

根本原因は骨盤のゆがみと下肢のゆがみ

「変形性膝関節症」が女性に多い理由として考えられるのが「骨盤のゆがみ」と「下肢のゆがみ」です。

骨盤のゆがみ

女性は妊娠、出産の際に「リラキシン」というホルモンがでて骨盤が開くようになっています。妊娠・出産を経験された女性で産後、骨盤が不安定な状態ですぐに体に負担をかける生活を送っていると、長い間骨盤のゆがんだ状態になります。若いうちは「骨盤のゆがみ」を筋力でカバーできますが、やがて加齢とともに筋力が落ちてくると骨盤のゆがみをカバーできずに膝や股関節など様々な関節に痛みを訴える事があります。現在、80代くらいの方はもともと歩く距離も多く、しゃがみながら洗濯をしたり、火をつけてお米を炊いたりしていたので、足腰が強かったため、ある程度高齢になるまで膝の痛みを訴えませんでしたが、現代社会の筋力の弱い女性に骨盤のゆがみがプラスされると40代、50代でも変形性膝関節症になる可能性がとても高いといえます。
筋力低下では変形性膝関節症にはなりませんが、骨盤のゆがみプラス筋力低下が重なってくると変形性膝関節症になるリスクはかなり上がります。

私のおばあちゃんは筋力低下はありましたが、骨盤、下肢のゆがみがなかったため膝の痛みを訴えなかったのです。

下肢のゆがみ

女性はつま先を内側に入れて歩く方や、座っている時に足首が内側に向いているいわゆる「内また姿勢」の方をみうけます。座っている時に足首を内側に曲げるクセのある方は足のかかとの骨やその周辺の骨がゆがんでしまいます。
足は立位時に体を支える重要な土台となる部分です。土台が不安定だとそれより上の関節に負荷をかけることになり、変形性膝関節症の原因の一つになることもあります。
現在、高齢で変形性膝関節症になっている方々は椅子の生活ではなかったなので座って足首を内側にひねるというクセはなかったのですが、正座をする機会が多く、正座の姿勢は距骨という足の骨をゆがますと言われています。それが原因で他の部位にも歪みが生じ、結果変形性膝関節症になると考えられます。


「変形性膝関節症」が女性に多いのは女性は様々な原因から骨盤から下肢の骨のゆがみが発症しやすい環境にあります。ゆがまないようにするのは日常生活の姿勢が一番大事になってきます。現在、足首を内側にひねる癖のある方は早急にやめていただき、骨盤のゆがみが気になる方は骨盤体操などをおこなって将来変形性膝関節症の予防をしましょう!!

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