膝の内側の痛み(鵞足炎)にサポーターは効果あり?

膝の内側に痛みを訴える鵞足炎(がそくえん)。多くの場合、マラソンなどのスポーツをしている方に発症する膝の痛みです。ランナーの場合、膝の内側が痛くなったからと言って練習をすぐに休むことを選択する人は少ないでしょう。ランニングがライフスタイルの一部となっている方が多く、多少の痛みならランニングを続けたいと思っていることでしょう。では膝の内側に痛みが発症し、整形外科へ行き「鵞足炎」と診断された際にサポーターは効果があるのでしょうか?またサポーターをして走るのは良いことなのでしょうか?

鵞足炎の場合に用いるサポーターはソフトサポーター

サポーターには伸縮性のあるソフトサポーターとサポーターの側面に硬い金属部品の入っているハードサポーターに分けられます。ソフトサポーターは膝の保温目的や圧縮することによる痛みの緩和などを目的に使用します。一方ハードサポーターは靭帯を損傷したときや半月板損傷などで膝のぐらつきが強く、それでも膝に負担のかかる生活を送らないといけない場合に用いられます。
鵞足炎は筋肉、腱、滑液包などの問題であるため、ぐらつき感などは出ない膝痛です。仮に膝の内側に痛みがあり、ぐらつき感が出る方は鵞足炎による膝の痛みではない可能性が高いです。内側側副靭帯損傷または断裂や内側半月板損傷などが疑われます。もしぐらつき感があるときは一度専門の医療施設で診察をしてもらった方が良いしょう。
筋肉、腱、滑液包の障害の場合ぐらつき感がでないのでソフトサポーターを使用します。ソフトサポーターも圧縮性の強いサポーターと圧縮性のあまりないサポーターに分けられます。圧縮性の強いサポーターは痛み緩和に効果があると言われています。圧縮性のあまりないサポーターは保温効果で使用されることが多いです。

鵞足炎の場合は圧縮性の低いサポーターがお勧め

膝の内側の痛みを感じていて鵞足炎と診断された場合、サポーターを使用するとすれば圧縮性の低いサポーターを使用するのが良いでしょう。温めることで筋肉、腱、滑液包の血液循環がよくなり、組織の修復を促進します。圧縮性の強いサポーターだと圧迫が強く、かえって血液循環が悪くなる可能性があるため、あまり圧縮性の強いサポーターを使用するのはお勧めしません。

しかし、圧縮性サポーターは痛みを緩和する作用があります。そのため、圧縮性の強いサポーターをすると痛みをあまり感じずに走れる可能性もあります。しかしこれは大きな落とし穴です。人間の体は痛みを感じる「痛覚」という神経と触られたと感じる「触圧覚」という神経があります。(明確にいうと受容器があります。)

例えば膝の内側の痛みの場合、鵞足部分を傷めることにより、「痛い」という信号が脳に伝わり「痛い」と感じます。膝に手を触れると「触られた」という信号が脳に伝わり「触られた」と感じます。人間は痛いという感覚よりも「触られた」という感覚のほうが脳に早く伝わります。そのため、触れられていると脳が痛みを少し感じなくなります。
圧縮性の強いサポーターは触圧覚を刺激し続けるため「触られている」という感覚を常に脳に送り続けていることになります。結果、サポーターをしていると痛みが和らいだり、痛く感じなくなったりします。しかし、傷めた筋、腱、滑液包が治ったわけではないため、サポーターをすれば痛みが楽だからと言って走り続けていると傷めている組織は増々悪くなり、いずれはサポーターをしても痛みが緩和しないくらい悪くなってしまいます。

どうしても走りたいというランナーの方でも圧縮性の強いサポーターをすれば楽に走れるからと言って使用し続けていると、やがて傷めている組織はどんどん悪くなり、長期にランニングを休養しないといけなくなってしまうので使用しながら走ることはお勧めしません。

まずは圧縮性の低い、保温性のあるサポーターで血液循環を良くし、組織の修復を図らうようにしましょう。

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