捻挫の治療


目次

足首捻挫(あしくびねんざ)は冷やす(アイシング)だけでは完治はしない!?

どの競技においても足首捻挫(あしくびねんざ)は起きやすい疾患です。ほとんどの場合がRICE処置(圧迫・冷却・挙上・安静)をはじめにおこなうことが主流です。
 しかし、残念ながらRICEのみでは足首捻挫(あしくびねんざ)の根本治療にはなりません。RICE処置をおこなうと確かに捻挫ねんざの痛み自体は数日~数週間でおさまってきますが、RICE処置のみでスポーツに復帰すると、その後何度も捻挫(ねんざ)を繰り返してしまう陳旧性足関節捻挫(ちんきゅうせいそくかんせつねんざ)や、慢性的に足首の痛みを訴える 変形性足関節症(へんけいせいそくかんせつしょう)を引き起こす可能性もあります。
 
また捻挫(ねんざ)によりゆがんだ骨を矯正せずに競技を続けると、他の部位へもゆがみが波及し、膝痛、股関節痛、腰痛を引き起こす場合もあります。

捻挫(ねんざ)が原因で足根骨(くるぶしより下の細かい骨)にわずかなゆがみが生じるようになり、足根骨が歪んだ状態でプレーを続けていると、やがて膝や股関節もゆがみが生じ「体に痛みはないのに昔のようなパフォーマンスができない」というアスリートもいらっしゃいます。過去の捻挫(ねんざ)が原因で競技パフォーマンスの低下につながることもあります。

「足首をひねった」と軽くみられがちな捻挫(ねんざ)ですが、「スポーツをこれから長く続けたい」「競技パフォーマンスをもっと上げたい」と言う方は初期段階からしっかりと根本治療をすることが必要不可欠になります。

どんなスポーツで起きやすい?

①着地時に足首をひねる

足首捻挫は様々なスポーツ時に起こります。一番多いのがジャンプ着地時に足首をひねり起こります。
・バスケットボール
・バレーボール
・サッカーヘディング時
・走り幅跳び着地時など

ジャンプをした際に、足の裏でしっかりと着地ができずに足首をひねった状態で着地することにより起こります。足首をひねった状態で着地し、さらに体重がひねった足の方へかかってしまうと靭帯(じんたい)にかかる負荷も増すため捻挫の重症度も重くなります。
着地時にひねる場合は、ひねった角度により内反捻挫(ないはんねんざ)、外反捻挫(がいはんねんざ)両方とも起きえますが、数は圧倒的に内反捻挫のほうが多いと言われています。

ストップ&ゴーの動きが多いスポーツ

・テニス
・サッカー
・バスケットボール
・バドミントン
・ラグビーなど

ボールを追いかけて急激に止まった際に勢い余って足首をひねって(ねんざ)しまうことがあります。この捻挫の場合、ほとんどの割合が内反捻挫(ないはんねんざ)になります。



その他にも
・野球のスライディング
・スケートでの転倒
・トレイルランや登山など不整地での歩行orランニングなどで起こります。 また、スポーツ時以外にも起こることがあります。
・階段から滑って落ちてしまった時 
・もともと足首の関節が硬い方 
※過去に捻挫ねんざをしたことがあり、しっかりと治っていない場合は普通に歩行をしているだけでも起こる可能性があります。
・ヒールを履いている時  

基礎知識

  足首には関節包(かんせつほう)と靭帯(じんたい)いう組織があります。関節包は足首の関節を袋状に包み込んでいます。靭帯(じんたい)とは足首の関節を作る骨同士がが動いたりしても外れないようにしっかりと支えているバンドのような組織です。足首を強く内側にひねったり、外側にひねったりすることで関節包や靭帯が伸ばされたり、切れたりすることにより痛みを引き起こします。この状態を足首捻挫(足首ねんざ)と呼びます。
痛める部位によって①外側捻挫②内側捻挫③底屈前側捻挫の種類に分けられます。

①外側捻挫=内反捻挫=内側にひねるねんざ

足首を内がえしにして起こる捻挫内反捻挫(ないはんねんざ)と言います
・トレイルランニングなど地面がデコボコの道で足をひねる。
・バスケットボールやバレーボールなどのジャンプの着地で足首をひねる。
・テニスのボレー時に急にストップをかけた時にひねる。
・ヒールを履いていて足首を内側にひねるなどなど様々なシーンで起こる捻挫です。

外側捻挫内反捻挫は3種類の捻挫の中でも圧倒的に数の多い捻挫です。理由としては
①関節を外れないように支えている外側の靭帯じんたいは内側の靭帯じんたいに比べて長く、少し強度も弱いこと
②内側にひねった状態のほうが足の骨自体が骨性にゆるい状態になるため、関節の動きが外がえしより、内がえしのほうが大きく動くためと言われています。

外側捻挫で痛める靭帯は、足首の外側にある3つの靭帯(じんたい)です。その中で一番多く損傷がみられるのは一番前に位置する前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という靭帯です。次に多いのが前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)にプラス踵腓靭帯(しょうひじんたい)の2つの靭帯を損傷するケースです。3つ目の靭帯である後距腓靭帯(こうきょひじんたい)は3つの中で一番強靭であるため、損傷することは少ないですが、足首をひねった状態で人が乗っかってきたなどの強い内がえし(強い内反)状態になると前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)に続いて後距腓靭帯(こうきょひじんたい)も損傷することがあります。外側の3つの捻挫のうち単独で損傷するのは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)だけで、他の2つの靭帯は前距腓靭帯損傷(ぜんきょひじんたいそんしょう)に伴って損傷することが多いです。

②内側捻挫(ないそくねんざ)=外反捻挫=外側にひねる捻挫

足首を外がえしにして起こる捻挫を外反捻挫(がいはんねんざ)と言います
・バレーボールやバスケットボールの着地時に相手の足を踏んでしまい足が外がえしにひねるなどの時に起こります。

足首の内側を支える靭帯は三角靭帯>さんんかくじんたと呼ばれる靭帯です。三角靭帯はとても強靭なため内側捻挫 (外反捻挫)は起こりにくく、断裂することもほとんどありません。


③底屈捻挫(ていくつねんざ)=前側捻挫


つま先が足裏側に過度に曲がってしまって起きる捻挫(ねんざ)
・サッカーのスライディングタックル時にスパイクが地面に引っかかってつま先が足裏側に伸びてしまう。 等の時に起こります。

足首の前側には靭帯がないため、足首の関節を包む関節包に損傷や断裂が起きます。













すぐに復帰できる!?軽症から重症まである捻挫の重症度


足首捻挫(あしくびねんざ)と言っても痛めた靭帯(じんたい)の損傷度合いによって、競技への復帰や治療の有無など全く変わってきます。重症例では手術適応になるケースもあります。足首捻挫は軽度、中等度、重度の3つに分けられます。

軽度(第一度) 靭帯が伸ばされた状態で、断裂はない。不安定感もない。痛みは軽度で、腫れもほとんど起こらない。起こっても軽い。治療をしなくても週間以内に痛みが治まってくる。

中等度(第二度) 靭帯の部分断裂がみられる。不安定感が出る場合もある。歩くのに足をひきずる。痛みはけっこう強くでて、腫れもでたりでなかったり。中等度の捻挫 ねんざの患者さんが治療院などで治療をおこなう場合が多いです。復帰には~6週間かかると言われています。

重度(第三度) 靭帯が完全に切れた状態。関節の不安定感がでる。受傷の初期は松葉杖があったほうが歩きやすい。痛み、腫れともにかなりつよく出現します。競技によっては手術適応になるケースもあります。

軽症が落とし穴!?甘く見てはいけない軽症捻挫(ねんざ)


軽症の捻挫の場合、ご自分で「シップを貼って安静にしていれば治る。」と考える方も多くいると思います。しかし軽症のねんざでも腓骨(ひこつ)という骨が下に下がってきてしまいます。軽症の捻挫の場合、腓骨が足方向に下がるのもほんの 数ミリですが腓骨が下がった状態で日々の生活を送っていると何度も足首をひねりやすかったり、足首の慢性的な痛みを訴えたり、膝や股関節までゆがみが連動して膝痛や股関節痛になることもあります。 数ミリゆがんだ状態を数ヶ月~数年続けると他の部位にもゆがみが起きてきて痛みとなり、すぐには治らない漫性痛になってしまいます。ですから軽症の捻挫 (ねんざ)でも初期にしっかりと骨のゆがみを整えておくことが大事になります。

ずっと続く足首の痛み・漫性捻挫(陳旧性足関節捻挫)


・捻挫(ねんざ)をして数年経っても痛みがとれない。
・数年前に捻挫(ねんざ)をして再び足首が痛くなってしまった。
・捻挫(ねんざ)を何度も繰り返してしまう。
・でこぼこ道を歩くと足首が不安定な感じがする。

上記のような症状が起こる方は漫性捻挫(陳旧性足関節外側靭帯損傷)を起こしている可能性があります捻挫(ねんざ)による骨のゆがみが残った状態で日々の生活を続けていると慢性捻挫へと移行していきます。捻挫捻挫初期には関節包や靭帯(じんたい)の損傷による痛みですが、慢性捻挫になると「変形性足関節症」といい、関節内の軟骨がすり減って起こる関節炎も発症する可能性があります。捻挫(ねんざ)をした急性期から骨のゆがみを整える治療をおこなうことがとても重要になってきます。

足首周りのゆがみを放っておくと大変なことになる!?



捻挫(ねんざ)による足首周りの骨のゆがみについて説明してきましたが、軽症、重症の差はありますがスポーツをしていた方は一度は捻挫(ねんざ)を経験したことがあるのではないでしょうか?そのため、捻挫(ねんざ)により腓骨(ひこつ)が下に下がった状態で生活をしている人が大変多く見受けられます。腓骨が下に下がった状態でスポーツを続けたり、日々の生活を送っていると、腓骨(ひこつ)のみではなく様々な部位にゆがみがおきてきます。特に足首から下の骨は人間の体を支える大事な部位になります。腓骨(ひこつ)が下にゆがむことで足の細かい骨にもゆがみが生じ、土台である足の骨がゆがんだ状態で立つと常に不安定な状態で立っている形になるため様々な関節に負担がかかります。この状態が長く続くと慢性的な膝痛や股関節痛腰痛の原因になることがあります。足首自体の痛みはとれても他の関節に痛みを起こす可能性があるので、しっかりとゆがみを矯正しておくことが大事になってきます。

一般的な捻挫時の応急処置


捻挫(ねんざ)をしてしまった直後は整形外科に行く前にRICE処置をおこなう場合が多いです。RICEとは?
R rest・・・安静
I ice・・・・冷却
C compression・・・圧迫
E elevation・・・挙上
の頭文字をとってRICE(ライス)と呼んでいます。簡単に言うと、受傷した足首を氷水を入れたビニール袋や氷嚢を当て、包帯でグルグル巻きんして仰向け状態で足を椅子の上などに置いて挙上し、安静にしておく、という事です。RICE処置は長くても 48時間とされています。長くても2日間RICE処置をした後はシャワーで患部を分冷やす→3~5分お風呂に入る→シャワーで1分冷やす→3~5分お風呂に入るという温冷交代浴をするとさらに治りが早いと言われています。1週間以降、腫れが治まってきたら積極的に温めたほうがよいです。

整形外科での治療


捻挫をして整形外科へ行くとまずはどの程度靭帯が損傷しているかにより治療は変わってきます。

軽症~中等度の場合は消炎鎮痛湿布の処方や塗り薬などが処方されます。以前まではギプス固定をするケースもありましたが、現在では機能回復を重視するため固定も弾性包帯やテーピングをおこない、痛みの範囲内で可動域訓練などがおこなわれています。

重度の場合、靭帯が完全断裂している場合はギプス固定や手術をするケースもあります。手術は自分の腱を移植する方法や人工靭帯を用いる方法など病院によって様々な方法があります。

私がおススメする急性捻挫の処置方法


私がおススメするのは温冷交代浴と運動療法を組み合わせたやり方です。ただし、痛みがかなり強い、腫れがかなり強いという捻挫の時は先に整形外科を受診し、靭帯の損傷度合いを一度確認してもらったほうが良いと思います。

やり方 
①足関節を温める。2~3分 
②足首を痛みがあまり強く出ない程度に動かす。
③冷やす1~2分 
①~③を繰り返す。をおこなってみてください。機能回復を早め、消炎鎮痛にも繋がるので大変効果的だと思います。 ※①~③のルーティーンを繰り返していると徐々に痛みが増す場合は中止してください。

当院での足首捻挫の治療


足首捻挫(あしくびねんざ)の治療は当院が最も得意とする疾患の一つです。多くのスポーツ選手を施術してきて「試合までに治してほしい」という依頼が多く、より早期により効果のある治療法を探求してきました。また、上記に説明したように「また足首を捻挫してしまった」「慢性的に足首が痛む」「膝や股関節が痛む」など捻挫による骨のゆがみが原因で起こる2次的な痛みも起こらぬよう、足のゆがみも矯正をかけ、根本的な治療をおこなっております。

①消炎、鎮痛を目的に鍼治療捻挫受傷初期は痛み、腫れが強いため、消炎鎮痛を目的に痛めている靭帯や関節包など足首周りに鍼治療(はりちりょう)をおこなっていきます。どの靭帯を痛めているのかを細かい触診により探し当て鍼治療をおこなっていきます。どの部位を痛めているのかを的確にとらえる事がとても重要になってきます。また、痛みが強いせいで、足首周りの筋肉も硬くなり、周りの筋肉が硬くなることで足首にさらに負担をかけるという悪循環に陥ってしまうので足首周りの筋肉も鍼治療により緩めていきます。 (前脛骨筋・長趾伸筋・長腓骨筋・腓腹筋・ヒラメ筋など)

②足首周りの骨のゆがみの矯正をかけていく
何度も説明しているように足首捻挫あしくびねんざの根本治療をおこなうにはゆがんでしまった骨の矯正がとても重要です。「骨の矯正」というと「バキッ」と音を鳴らすようなイメージが強いと思いますが実際にはとてもソフトで受けている感じは軽く触れられている程度の矯正です。人間の骨を矯正する際に強い力で矯正をおこなうと、骨自体は一旦正しい位置に戻りますが、強い矯正は脳が外部刺激と認識し、元の悪い状態 ゆがんだ状態にもどろうとする作用がおきるため、その場は楽になってもすぐに元の状態にもどってしまいます。当院では再発のない根本治療をおこなっていますので、強い矯正ではなく、ソフトな矯正で治療効果が長時間続くような施術をおこなっております。

③テーピング
受傷して間もなくはテーピングで固定をしておいたほうが良い場合はでキネシオテープでの固定をおこないます。重症例では必ずテーピングをおこないますが、軽症の捻挫であるとその場で痛みの改善がかなりみられますのでテーピングをおこなわずに治療が終了する場合もあります。 ご希望の方には捻挫(ねんざ)のテーピング法の指導もおこなっております。足首捻挫はより早期に治療を始めたほうが早期に痛みの緩和、競技への復帰が可能になります。「練習を長く休めない」 「試合までにどうしても治したい」という方は早期の治療をお勧めいたします。

簡単なテーピング法
足首捻挫をした時の自分でできる簡単なテーピング法を紹介しています。捻挫をしたらずっと寝たままというわけにはいかないと思います。日常生活で歩くのみでも受傷初期にはテーピングを貼っておいたほうが良いです。捻挫後、スポーツに復帰する際は捻挫にたいする怖さが残るので、痛みがなくても復帰後はテーピングをおこなっておいたほうが良いでしょう。捻挫をしやすい競技の場合は上記のテーピングにプラスして下記の動画の八の字テーピングをおこなってみてください。


自分でできるセルフケア(お灸)

お灸のやり方を動画で紹介しています。お灸には消炎鎮痛効果もあるので受傷初期からおこなっても良いですが、お灸をした後に返って痛みが強くなった場合は炎症が強すぎる可能性もあるので痛みが強くなった場合はアイシングをおこなってください。痛みが強くならない場合は1日1回お灸をおこなってください。 漫性捻挫>陳旧性足関節外側損傷の場合は毎日積極的にお灸をすることをお勧めいたします

足そらし

足首捻挫をすると足首周りの骨がゆがんでしまうことを上記で説明してきました。踵骨しょうこつというかかとの骨のゆがみも起きてきて、踵骨しょうこつがゆがんだ状態のままいると、また捻挫をくりかえしたり、足底筋膜炎や膝痛、股関節痛、腰痛の原因にもなりますので、踵骨しょうこつの位置をしっかりと正すことも重症になってきます。動画で説明している「足そらし」は踵骨しょうこつ>のゆがみを正すためのストレッチになるのでぜひおこなってみてください。




 
横浜市泉区在住 石井大貴 様 高校生

僕はサッカーをしていて今回足首をねんざ(ケガ)しました。

いつも通り地元の接骨院でも行けば治るだろうと思い、通ってみると1ヶ月半くらい経っていました。
接骨院では結局湿布をもらうだけで全然痛みが良くなりませんでした。

どうすればいいんだろうと思っていたそんな時、友達にこの土井治療院を紹介してもらい、ダメもとで行ってみることにしました。

すると鍼治療を一、二回うけただけで、足首の痛みが自分でもビックリするぐらい良くなりました。
今までの1ヶ月返せ~!と思いました。

今ではもうボールを怖がらずに蹴れるところまできています。
本当にうれしいです!
本当にホントに良くなったので、もっと早くにここを見つけていれば!と思いました。

何回も病院いっても痛みがひかない、治らないとおもう人がいたら、是非行ってみると良いと思います!


鍼灸×スポーツマッサージ×整体を組み合わせた総合治療「土井治療院」

土井治療院

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