「足首が固いと怪我をしやすいから足首をよく回しなさい」こんなことを運動部に所属していた人は聞いたことがあるのではないでしょうか？実際に足首は立った時に体を支える部分の一つですからとても重要な部位です。足首に柔軟性があると、歩行時や走った時に地面から受ける衝撃を吸収することができます。ですから逆に足首が硬いと衝撃を吸収する作用がなくなり、膝や腰に地面からの衝撃が伝わるようになり膝痛、腰痛の原因になることもあります。足首の柔軟性は常に保たれていなくてはいけません。

足首の固い人は何が原因なのでしょうか？

    ①足首周りの筋肉の固さ

足首を曲げる、伸ばす、内側にひねる、外側にひねるなど足首は様々な動きをします。このような動きをおこなっている筋肉が硬くなってしまうと足首が固くなってしまうことがあります。

足首を曲げづらい(背屈しづらい)→このような症状がある方はふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋など)が固くなり足首の背屈制限を起こしていることがあります。

足首を伸ばしづらい(底屈しづらい)→このような症状がある方はすねの前の筋肉(前脛骨筋)が固くなり足首の屈曲制限を起こしていることがあります。

足首を内側にひねりづらい(内反しづらい)→このような症状がある方は、足の外側にある筋肉(長腓骨筋、短腓骨筋、第三腓骨筋)が固くなり内反制限を起こしている場合があります。ただし、内側にひねる動作が柔らかすぎると、捻挫(ねんざ)を頻繁に起こす要因になるので、極端な内反制限がない限りはあまりあまり柔らかくしようとしすぎないほうが良いです。

足首を外側にひねりづらい(外反)→このような症状のある方は、すねの前とやや後方にある筋肉(前脛骨筋、後脛骨筋)が固くなっていると外反制限を起こすことがあります。

これらの筋肉を柔らかくすることで足首の柔軟性が増し、足首の重要な機能の一つである「地面からの衝撃の吸収作用」が働くようになり膝痛や腰痛の予防にもつながります。

足首を柔らかくするストレッチを知りたい方は「足首の固さを解消するストレッチ」を参考にしてみてくささい。

    ②足首周りの「骨の歪み」

    足首の固さは足首周りの筋肉の影響も関係していますがそれ以外に「骨の歪み」もとても重要な要因の一つになります。足首の固さに関係するのが距骨(きょこつ)という骨が特に関係しています。

距骨(きょこつ)はちょうど足首の前側部分に位置し、外くるぶしと内くるぶしに挟まれるように位置しています。

「骨がゆがむ」というと一件、大きくズレてしまっていることを想定する方がいらっしゃいますが、実際にはほんの数ミリのズレでも体に様々な影響を及ぼすことがあります。特に距骨(きょこつ)の位置は人間の体のバランスを取る際に大変重要な骨ですので、距骨の位置がずれていると足首痛、膝痛、腰痛、足底痛の原因になることが多いです。

・距骨(きょこつ)が前側にずれている→足首が曲がりづらい(背屈制限がある)症状が起きてきます。

※距骨(きょこつ)が前側にずれている人は足首が伸びた状態(底屈位)となります。この状態の足は、足の細かい関節が不安定な状態になり、捻挫(ねんざ)を起こしやすくなります。足首をよくひねる(足首捻挫)と言う方は距骨(きょこつ)が前側にずれていることがあります。

・距骨(きょこつ)が後方へずれている→足首が伸ばしづらい状態(背屈位)となります。

距骨が後方へずれている方は外反偏平足やリウマチの方にみられることがあります。

内側にひねる、外側にひねるこれらの動きは運動は足首の様々な動きを複合した動きになります。

足首を内側にひねる(内がえし)→底屈、内転、回外という3つの動きが複合しています。ですので距骨が後方へずれる→底屈制限(足首を伸ばしづらい)を起こしますので、３つの複合運動に弊害がおきるため、距骨が後方へずれることで内側へひねる際に硬さを感じるようになります。

足首を外側にひねる(外がえし)→背屈、外転、回内という3つの動きが複合しています。距骨が前方へずれる→背屈制限(足首をまげづらい)を起こしますので、距骨が前方へずれると外側へひねる際に硬さを感じるようになります。

距骨(きょこつ)の位置が正しい場所にあることが重要なことであることはご理解いただけたと思います。ではどのように距骨の位置を正せば良いのでしょうか？

距骨(きょこつ)がゆがんでしまう大きな理由の一つが過去に足首捻挫を起こしているケースが多いです。距骨のゆがみをとるセルフケアを紹介しますが、あまりにゆがみが大きい方や、かなりゆがみのクセがついている方は、ご自分のセルフケアのみでは改善難しいので一度専門の先生にみてもらう必要があります。

※「距骨のゆがみ」を理解している先生は足に対してとても知識の高い専門家になります。あまり専門的に勉強していない医療機関では「骨はゆがまない」などと言われてしまいますが、距骨のゆがみを正すことはスポーツ活動や下肢の痛みの改善には大変重要になりますので、専門機関を探して治療をおこなってください。