五十肩で三角筋部の痛みは三角筋が原因でないこともある?

五十肩で肩に痛みを訴える方は肩を上げたり動かしたりした際に三角筋部に痛みを訴えることがありますとても多いです。三角筋は腕を前側から上げる、外側から上げる、後ろ側に上げる際に使う筋肉です。肩を上げる筋肉であるため、上げた際に三角筋が痛むのだろうと考えがちですが三角筋が痛いからと言って三角筋自体が問題でない場合も多く見受けられます。特に五十肩で三角筋が痛い場合は三角筋が原因でない可能性のほうが高いでしょう。
では三角筋部が痛いのに三角筋でない原因とはどのようなものがあるでしょうか?

関節包の伸長が三角筋の痛みとして感じる

肩関節には関節を包む「関節包(かんせつほう)という袋があります。
五十肩などの場合、関節を包む関節包が長い炎症によって癒着し固まってしまいます。
肩を上げようとすると下方の関節包は伸長されます。下方の関節包は腋下神経という神経に支配されています。三角筋も同じ腋下神経に支配されています。
肩を上げていき関節包が伸長されると腋下神経が刺激されるため、同じ神経支配領域の三角筋に痛みを感じる事があります。
三角筋自体に損傷や原因がなくても三角筋と同じ神経支配の関節包の癒着により、肩を上げる際に伸長されたときの刺激が三角筋の痛みとして感じます。

QLSが原因で三角筋が痛む

QLSとはクアドリラレラルスペースの略で肩関節の裏側に位置する小円筋(しょうえんきん)、大円筋(だいえんきん)、上腕三頭筋長頭(じょうわんさんとうきん)、上腕骨に囲まれたスペースを言います。このスペースから腋下神経が外側に出てきます。腋下神経はQLSから出て三角筋まで到達し三角筋を支配します。

QLSを形成する小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭いずれかが短縮していると肩を上げた際にQLSが狭まる形になります。QLSが狭まるとQLSを通る腋下神経は刺激され腋下神経の支配領域に痛みを訴えいます。腋下神経の支配筋肉は三角筋であるため三角筋に痛みを感じるようになります。

五十肩で三角筋部が痛い場合は上記の2つが原因である可能性のほうが高い

五十肩の場合、炎症性滑膜の炎症期を過ぎると滑膜の拘縮が始まってきます。その影響で関節包の下方は癒着してしまうことがあり、下方関節包の癒着により肩を上げる際に腋下神経が刺激され三角筋部に痛みを訴えます。

また、五十肩では小円筋、大円筋も短縮しやすくQLSの狭小が原因の三角筋部の痛みも充分に考えられます。両方併発している可能性もあります。

一方で五十肩の場合、三角筋そのものの短縮などが原因で三角筋に痛みを訴えるケースは少ないでしょう。そのため三角筋部がいくら痛いからと言って三角筋周辺をマッサージで緩めたり、温熱療法をしても三角筋部の痛みは改善しません。小円筋、大円筋を緩ますことや下方関節包の癒着を剥がすような治療、リハビリをおこなったほうが三角筋部の痛みから解放される可能性が高いです。

鍼灸×スポーツマッサージ×整体を組み合わせた総合治療「土井治療院」

土井治療院

住所
〒224-0003
神奈川県横浜市都筑区中川中央1-7-13
FinS COURT-ER2F
交通
横浜市営地下鉄センター北駅徒歩1分
TEL/FAX
0120-000-435
受付時間
9:30~21:30
  • 土曜日(◎)は9:00~20:00まで営業。
  • 日曜日(●)は9:00〜17:00まで営業。