変形性股関節症の治療

変形性膝関節症は、整形外科などでは「治らない」と言われショックを受ける方が多数いらっしゃいます。たしかに変形そのものは治りませんが、股関節の痛みの改善、関節可動域の改善などを行っていけば、痛みのためあきらめていたスポーツへの復帰も可能になります。変形性股関節症でお悩みの方、ぜひ当院の治療を受けてみてください。

好発

  • 一次性の場合は、50歳以上にみられることが多い。
  • 二次性では、原因疾患により一定しない。
  • 老年者に多く老人性変化として起こるものを老人性変形性股関節症という。
  • 高度の肥満者
  • 運動習慣のない方、極端に激しい運動を続けている方。

基礎知識

変形性股関節症の種類

一次性変形性股関節症

特別原因がないもの。突発性変形性股関節症とも言われています。一次性変形性股関節症は特別な原因がないとされていますが、最近の研究データによると、内分泌(性腺)との関係が重視されています。一般的には加齢に伴って発症すると言われています。欧米人に多い変形性股関節症は一次性変形性股関節症であると言われています。

二次性変形性股関節症

なんらかの原因があって、二次的に起こるもの

  • 先天性股関節脱臼後にみられる扁平臼
  • ぺルテス病などによる関節骨頭と臼の非適合性、不安定性
  • 大腿骨頚部骨折による骨頭への循環不全
  • 頚体角異常
  • 外傷

など股関節に物理的な問題がある場合に発症すると言われています。日本人の変形性股関節症は二次性変形性股関節症が多いと言われています。

変形性股関節症は女性に多い?

二次性変形性股関節症の原因である先天性股関節脱臼先天性臼蓋形成不全の割合が女性に多いことや、女性は出産時に骨盤が開くように靭帯(じんたい)を緩ますホルモンがでるため、股関節を支えている靭帯も男性よりも女性のほうが緩いことや男性に比べ筋肉量が少ないことなどが原因で女性のほうが変形性股関節症のの発症が多くなっています。
出産後の仙腸関節のズレにより、片側の足にばかり重心が乗ると、そちら側の股関節への負荷は増し、これも一つの原因と考えられています。

変形性股関節症のメカニズム

股関節は体の中で最も大きな関節です。上半身と下半身をつなぐとても重要な関節です。2足歩行をする人間では体を支える働きと歩く・走る・階段昇降など様々な動きの要となる関節です。そのため構造上も様々な角度に動きますが、たくさんの靭帯に支えられとても強靭であり、よほどのことがない限り脱臼などは起こりません。

股関節はいわゆる骨盤の骨、腸骨と太ももの骨(大腿骨)から形成されます。腸骨の寛骨臼(かんこつきゅう)というくぼみに大腿骨の大腿骨頭(だいたいこっとう)がはまりこむ形になっています。

股関節の関節軟骨の変性は生理的にも年齢の増加とともに起こり、軟骨内の水分量が減り、弾力性が減退することにより、軟骨が摩擦・剥離しやすくなります。
一次性、二次性変形性股関節症ともに変性した軟骨(弾力性を失った軟骨)が摩擦によって剥離して、軟骨の小片が股関節内に浮遊し、その小片が関節を包む袋(滑膜)に巻き込まれ、破壊、吸収される結果、滑膜は炎症を起こし、股関節の痛みを誘発します。
また、細胞増殖、皺壁の増加をきたし、そのため関節包が肥厚してきます。さらに長期にわたり力学的な因子が作用して骨棘形成、関節の変形などが生じてきます。関節の変形がかなり進行してしまうと人工関節置換術という大手術を行うこともあります。

症状

  • 初期には長期間の起立や歩行時の痛み関節可動域制限(患側股関節が健側と比べて動きが硬い)
  • 痛みは鼠径部(足の付け根)に始まることが多く、お尻や太もも、膝上部にまで及ぶことがあり、数日するとおさまってきます。
  • 症状が進行してくると動作開始時痛が出始め「歩き始め」や「座って立つ時」「朝の起きがけ」など動き始めに痛みを感じるようになります。特に鼠径部、股関節の外側に痛みを感じるようになります。
  • 関節可動域制限は初期には痛みによる制限が生じ、痛いからといって股関節を動かさないでいると股関節周辺の筋肉も硬くなりさらに関節可動域も狭くなり、股関節を深く曲げたり、開脚などの制限がかかってきます。 患側の股関節周辺の筋肉の緊張が強いと骨盤が傾き、痛めている股関節側の足が短くなったような気がします。
    変形が進行してくると内旋、外転そして屈曲、伸展制限が起きてきます
  • 最終的には安静にしていても痛むようになり、痛みの度合いもだんだんと強くなっていきます。「じっとしていても痛む」「夜、寝ていても痛みで起きてしまう」などの症状がでてきます。

検査

変形性股関節症の場合、整形外科でⅩ線(レントゲン)画像検査がおこなわれます。Ⅹ線では軟骨自体は映りませんが関節間の狭小が診られると軟骨がすり減っていると判断され、変形性股関節症と診断されることが多いです。

股関節を開く動作や深く曲げる動作などの際に関節可動域制限もみられます。

整形外科での治療

整形外科の治療では大きく分けて手術をしない保存療法と手術療法に分けられます。変形性股関節症は末期まで症状が進行してしまうと手術適応になってしまう疾患です。

保存療法

薬物療法
関節の炎症に対して鎮痛消炎目的で湿布の処方。痛みを強く訴える方には痛み止めの飲み薬の処方。しかし、お薬は痛みのコントロール「痛み止めであって変形性股関節症を改善する」という目的で処方されます。痛み止めを飲んで楽になったからといって股関節に負担のかける生活をしていると容態は悪化し、やがて薬を飲んでも痛みがひかないほど辛い症状を引き起こす可能性があります。
温熱療法
筋肉の萎縮、血液循環促進を目的に温熱療法がおこなわれます。ホットパックやマイクロ波などで温熱療法をおこなうことが多いです。

※ご自分でできるセルフケアとして温熱療法はとても効果的です。お風呂にゆっくり浸かることや、普段から貼るホカロンなどで温めることは関節周辺の血液循環を促すことになり、痛みの改善、進行の抑制につながります。
生活習慣の指導
変形性股間節症の方は肥満傾向である方が多く見受けられます。体重が重いと股関節にかかる負担は大きくなることは想像できると思います。できるだけ肥満体系を改善するよう指示されます。

※変形性股関節症と食べ物の関係
整形外科では体重過多なため体重を落とすようにといわれますが、肥満の方が大好きな甘いものは関節を破壊すると言われています。糖質過多の生活を送っていると変形性股関節症の症状を進行させてしまうことになるので、現在症状が出ている方は甘いものは摂取しないようにしたほうが良いでしょう。

手術療法

変形性股関節症の患者素は約300万人と言われており、糖尿病患者よりも多い疾患になりました。手術適応になる患者さんは年間6万人で増加しています。変形性股関節症の手術方法は骨を切って自分の股関節を温存する骨切り術と人工関節に変える人工関節置換術にわけられます。
骨切り術は55歳以下の方におこなわれることが多いです。しかし最近の人工関節は耐用年数が20年~30年と伸びてきているため50代でも人工関節置換術を勧められるケースも増えています。骨切り術の場合、自分の関節を温存できますが、リハビリ期間が人工関節の約2倍かかるため、生活習慣に支障をきたす期間が長くなってしまいます。
人工関節の場合、病院によっては術後2,3日で歩行訓練を開始しますが、骨切り術の場合、4~6週間歩行訓練ができません。50代でも1日でも早く職場復帰がしたい方などは人工関節置換術を依頼することが多いです。

当院での治療

土井治療院では、今まで多くの変形性股関節症の患者さんを治療してきました。
スポーツクラブ内で施術をしていると、変形性股関節症であっても、どうにかスポーツを続けたいと訴える患者さんが多くいらっしゃいます。
スポーツを行うと股関節にかかる負担は増すため、治療のゴールはただ痛みをとるのみではなくスポーツに復帰することであるため、患者さんから要求されるゴールは高いですが、当院の治療を受けることで変形性股関節症と付き合いながらスポーツを続けている方が多くいらっしゃいます。
変形性股関節症でお困りの方、ぜひ一度土井治療院の治療を受けにいらしてきてください。

変形性股関節症の痛みは、病院での画像診断と一致しない?

50歳以降の方が、股関節の痛みを訴えて整形外科に行き、X線、MRIなどの画像診断を受けると、「これは変形性股関節症ですね」と診断される方がとても多くいらっしゃいます。しかし、ある大学病院で股関節にまったく痛みのない人のX線などの画像診断をしてみると、股関節の痛みがないにも関わらず、画像では変形がみられた方が、多数いらっしゃいました。
確かに、変形があると、痛みを起こす因子を助長させますが、変形そのものが痛みを起こしているのではないということが研究結果からわかります。

変形性股関節症の治療を考える上で必要なことは

  • 股関節周辺筋肉を緩めることで筋肉によるけん引痛の軽減。関節狭小化の改善
  • 関節を包む袋(滑膜)の消炎鎮痛
  • 歪んだ骨盤をもとの位置に戻す
  • 体全体のバランスを整える

①緊張状態の股関節周辺筋肉を緩める。

人間は、筋性防御と言い、痛めている部位の周りの筋肉が緊張します。変形性股関節症で、関節をまたぐ筋肉(大殿筋、中殿筋、大腿筋膜腸筋、腸腰筋、ハムストリングなど)が緊張していると、股関節の関節腔はさらに狭まることになり、軟骨の摩擦を助長してしまいます。

また、筋肉の緊張によるけん引痛も感じるようになり、股関節の痛みがさらに増したように感じます。

まずは、うつ伏せもしくは横向きで、股関節に付着する筋(大殿筋、中殿筋)などに鍼(はり)治療、マッサージ治療をしていきます。股関節に付着する筋肉は分厚い筋肉が多いため、当ルームでは長い鍼を用いて施術をおこなうこともあります。(鍼治療が怖い方に無理やり長い鍼を使用することはございません)

筋緊張の強い方には鍼に電気を流すパルス療法を用いて行うこともあります。
股関節の筋肉(殿筋)を緩ますのみでも、変形性股関節の痛みは3割ぐらいは軽減します。(全体の股関節痛の痛みの三割ぐらいは筋肉のけん引痛によるもののため)

上記の治療と同時に、片側の股関節を痛めていると左右のバランスが悪くなり腰痛を引き起こす原因にもなるので、腰回りの鍼(はり)治療、マッサージ治療も行っていきます。

②関節滑膜の消炎鎮痛

上記でも説明したように軟骨の小片が関節内に浮遊し関節を包む袋(滑膜)に吸収される結果、炎症が起き股関節の痛みを引き起こします。この滑膜の炎症を取り除くことができれば、股関節の痛みはかなり改善されます。

仰向けで股関節めがけて鍼(はり)治療をし、炎症が強い場合はパルス療法を用い消炎鎮痛を図ります。
股関節は、前後左右分厚い筋肉に覆われているため関節そのものを手技で刺激するのは難しいですが、鍼治療はそれが可能です。しかし、股関節を包む滑膜を正確に捉えるのには、しっかりとした解剖の知識、熟練した経験が必要になります。私はは知識、技術共に厳しい修業自体に身につけておりますので、このような難度の高い治療も行うことができます。

③症状の改善されないものには運動鍼

上記の治療を一通り行い、他動的に股関節を動かしてもまだ痛みが出る時に運動鍼を行っていきます。
運動鍼とは鍼をつけたまま、他動的、自動的に股関節を動かす治療法です。聞くだけではとても怖い治療法に感じますが、特別治療による痛みはあまりない反面、効果はとても高いちりょうほうです。
関節可動域制限を感じている患者さんなどでは運動鍼前と後では極端に可動域が広くなったのを実感できると思います。

④体の歪みを整える

変形性股関節症はだいたいの方が、片側に起きるため、痛みをかばいながら歩くので左右のバランスがくずれ骨盤が傾いてきます。変形性股関節症を発症しているほうの足が短く感じ、さらに股関節への負担が増していきます。

そのため、歪んだ骨盤を元の位置に戻し、二次的に痛くなっている股関節痛の予防、骨盤が歪むことによる腰痛予防を行っていきます。

⑤体全体のバランスを整える。

上記の基礎知識でも述べたように、一次性変形性股関節症は内分泌(ホルモン)バランスとの関係が重要視されています。そのため、更年期近くの女性に多く見られるのも一つの原因と考えています。そういった観点から、当ルームでは体全体のバランスを整えることで、自律神経、ホルモンバランスを整えることにより、股関節への良い影響もあるのではと考えています。

当院の治療を受けることにより、股関節の関節腔は広くなり、軟骨同士の摩耗を防ぎ、痛みが落ち着いてきます。変形性股関節症はうまく付き合えば、運動を続けることも可能ですし、遠くへの旅行や長い距離の散歩も可能です。しかし、痛みを我慢して生活を続けていくとやがて軟骨同士の摩耗は続き、骨棘(骨のトゲ)が形成され、変形は進行し、やがて人工関節の手術を受けなければならなくなってしまいます。
変形性股関節症は治らない疾患とあきらめる前にぜひ土井治療院の治療を受けてみてください。

鍼灸×スポーツマッサージ×整体を組み合わせた総合治療「土井治療院」

土井治療院

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