膝の痛み改善に膝裏伸ばしは効果あり?

とあるテレビ番組で「膝裏を伸ばす(ストレッチ)と膝の痛みが改善するという内容がやっていたので膝裏を毎日伸ばしているという方がいました。この方は整形外科で変形性膝関節症と診断されている方です。変形性膝関節症は初期の段階から人工関節置換術が適応になる末期まで症状の出方は様々です。この方はある程度関節の変形が進んでいて仰向けになり、膝を伸ばそうとすると膝がまっすぐに伸びない状態でした。このような方でも頑張って膝裏を伸ばすようなストレッチをした方がよいのでしょうか?

膝を伸ばすことは重要だが自力で無理にやると返って痛みが増すこともある

歩行時に膝に痛みを訴える場合、歩いている際に膝がまっすぐ伸びることができれば膝の痛みはかなり軽減することがあります。これは歩いている時に膝がまっすぐ伸びる時期があり、この時期にまっすぐ伸びないことで膝に上半身の重さが余計にかかり膝への負担が増してしまいます。膝に痛みのない方は通常歩行で膝が伸びる時期があるため膝に負担をかけることなくうまく重い上半身を前へ運べる(歩行ができる)のです。

膝がまっすぐと伸びることは歩行時にとても重要ですが、だからといって変形性膝関節症の方が曲がった膝を無理やり伸ばすと返って膝の痛みが増すこともあります。膝が曲がってしまう理由として
・筋肉が硬くなってしまう
・膝蓋下脂肪体の流れが悪く固まってしまっている
・スネの骨(脛骨)が太ももの骨(大腿骨)に比べて外側に捻じれている(外旋)
などがあげられます。
筋肉が硬くなっている場合、ストレッチをすることで膝が伸びて楽に歩けることもあります。膝裏を伸ばすと膝の痛みが楽になる膝痛は筋肉の緊張により痛くなっていた変形性膝関節症である可能性が高いです。

変形性膝関節症で膝が伸びなくなっている場合、膝蓋下脂肪体が硬くなり、曲げ伸ばしの際に脂肪体の流れが悪くなります。
脂肪体の流れが悪くなる原因としてスネの骨(脛骨)の外旋変位により脂肪体の通るトンネルが狭まり流れが悪くなると言われています。
脛骨の外旋変位があり、脂肪体の流れが悪くなり、脂肪体が固まって膝が伸びなくなってしまう方が多く、この場合無理やり膝裏を伸ばすストレッチをすると返って痛みが増してしまう可能性が高いです。
太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)が捻じれている状態ですからまずはこのねじれの状態を改善しない限り膝は伸びません。
また、膝が曲がった状態から伸びた状態になるときに脂肪体がスムーズに移動しないと膝が伸びないため脂肪体を柔らかくする必要があります。
捻じれを改善し、脂肪体の流れをよくしてから膝裏を伸ばすストレッチをすれば膝を痛めることなく膝の痛みの改善に繋がる可能性が高いですが、膝が捻じがあり、脂肪体の流れも悪い中で膝裏ストレッチをおこなうと返って悪化する可能性があります。

変形性膝関節症は重症度が初期から末期で大きく違うため、今ご自分の状態ではどのようなセルフケアをすべきなのかの判断をするのは非常に難しいです。そのため膝に詳しい専門家に今何をすべきかの判断を教えてもらうのが一番改善につながるでしょう。全ての人に効果のあるセルフケアというのは非常に珍しいです。テレビで行うセルフケアは全ての人に効くものではないということも憶えておき、仮にテレビなどで「膝によいセルフケア」がやっていたら、ご自分がお世話になっている医療従事者に「自分にはこのセルフケアが合っているか?」を確認してから行いましょう。

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