オスグッド病(オスグットシュラッター病)の治療


オスグッドは成長痛ではない!

オスグッド病の治療に関して説明をする前に皆様にご理解いただきたいことがあります。整形外科などに行くと、「成長期の成長痛だから仕方がありません。痛みが落ち着くまでスポーツを中止してください。」と言われた経験がある方が多いのではないでしょうか?
確かにオスグッド病は成長期とも大変関連が深い疾患ですが、成長痛なら全ての成長期の子供たちに起こるはずの疾患です。スポーツをしている少年に多くみられますが、スポーツをしていない少年にもオスグッド病は起きます。ましてや成長期にオスグッド病になりやすいと言われているサッカーをおこなっている少年たちが皆なるかというとそうではありません。

どんな人に多く発症する?

①小学校高学年から高校低学年の間にスポーツを盛んにしている少年に多くみられます。② 好発する種目としてはサッカー、
バスケットボール、バレーボール、野球、陸上競技などに多くみられます。特にサッカー少年に多く見られますが、その要因としてインサイドパスを繰り返すことにより、下肢のアライメント不良>足の骨格バランスが悪くなる
が起きオスグッド病に罹患します。

③スポーツをおこなっていない少年にもみられますが、主な要因としては成長期に急激に身長が伸びることにより骨成長、太ももの前に筋肉大腿四頭筋が過緊張することによりおこるともいわれています。

上記の好発者の中でもオスグッド病にならない人も多々見受けられます。しかし、上記のような オスグッド病とは少年期にすねの骨脛骨の上のほうが出っ張って運動時の痛みを起こしたり、正座をした際に床とぶつかって痛みを起こします。好発環境プラス

O脚、X脚、回内足の10代

姿勢の悪い10代

捻挫の既往のある10代

の3つが合わさっている10代の子はオスグッド病になる可能性が極めて高いと言えます。逆に言えば④~⑥が根本的な原因と言えます。なぜこの3つが主な原因であるかはオスグッド病の本当の原因をご覧ください。

また、 25%の患者が両側に痛みを訴えることがあります。

オスグッド病とは?

まず原因を理解するにはオスグッド病がどのような疾患なのかを知ることが重要です。

オスグッド病とは少年期にすねの骨脛骨>の上のほうが出っ張って運動時の痛みを起こしたり、正座をした際に床とぶつかって痛みを起こします。

解剖学的所見

太ももの筋肉である大腿四頭筋 (だいたいしとうきん)はお皿の骨(膝蓋骨・しつがいこつ)を通り、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)となって、すねの骨(脛骨・けいこつ)にくっつきます。この部分を脛骨粗面(けいこつそめん)と言います。大人の場合は太ももの筋肉 (大腿四頭筋)がすねの骨(脛骨・けいこつ)にくっつく部分(脛骨粗面)は硬い骨になっているのですが、成長期の子供は成長軟骨という柔らかい組織でできています。運動を激しくおこなう10代の子供は太ももの筋肉をよく使うことにより筋肉が縮むことで筋肉につながる膝蓋靭帯(しつがいじんたい)にけん引力がかかり、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)が付着する脛骨粗面(けいこつそめん)を引っ張ろうとします。激しい運動を定期的におこなう子供は常に脛骨粗面(けいこつそめん)に引っ張る力がかかるため成長軟骨が裂けて上へ持ち上がり脛骨粗面(けいこつそめん)が膨らんだようになります。これに伴い痛みや腫れをおこします。

成長期によるオーバーユース(使い過ぎ)が原因ではない!?


上記にも書きましたが、世間一般的には「オスグッド病は少年期のオーバーユース(使い過ぎ症候群)だと言われています。ではここで疑問が・・・

①オーバーユース>使い過ぎが原因ならチームの頑張り屋から順にオスグッド病になるはずなのでは?

②オーバーワーク(使い過ぎ)が原因ならスポーツをやっている少年のみが起こるのでは?実際にはスポーツを全くやっていない子にもみられる。

③練習が厳しいチームは好発するのでは???

などの疑問が浮上してきます。この3つの疑問に答えられる回答は今の医学では回答できません。残念ながら現在の一般的な医学ではオーバーユース(使い過ぎ)が原因ではない理由が多々ありながら、いまだにオーバーユースとされています。それはまだオスグッド病の根本原因に辿り着いていないからだと思われます。逆に言えば根本原因に辿り着いていないがために根本的な治療がなく「安静に」で終われせてしまうこが多いです。

オスグッド病(オスグッドシュラッター病)の本当の原因とは?

そもそもスポーツをしている子供たちは太ももの筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が張ってしまうのは仕方がないことです。ある程度、厳しい練習をしている部活動やクラブでは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が張っていないほうがおかしいです。しかし「筋肉が張っている」のと「筋肉が張り過ぎてしまっている」のとでは全くの別物です。

筋肉が張っている=太ももの筋肉は(大腿四頭筋)張っているがオスグッドにはなっていない子

筋肉が張り過ぎている=太ももの筋肉が(大腿四頭筋)張っていてオスグッド病になっている子

ではこの違いは一体何なのでしょうか??

違いは「足の骨のゆがみ」にあります。足の骨にゆがみのない子供は激しいスポーツをしても筋肉が張るだけですみます。

しかし足の骨にゆがみがある状態で激しいスポーツをする子は筋肉が張り過ぎて膝蓋靭帯(しつがいじたい)が脛骨粗面(けいこつそめん)をひっぱることになり、オスグッド病を発症します。

人間の体は骨にゆがみのない状態ですと、筋肉は最小限の力のみで動くことができます。しかし、ゆがみがあると、筋肉が常に何も運動をしていない時でも軽い緊張状態になるので、運動の際に余分な筋緊張が起こるために、「筋肉が張り過ぎた状態」になり、オスグッド病を引き起こします。

骨のゆがみに関してのたとえ話。

四角いブロックを段積み上げたとします。このブロックが崩れないように支えようとする人が4名います。四角いブロックの四隅をしっかりとそろえて10段積めば周りの人が支えなくてもブロックは崩れることはありません。

次にブロックを四隅を合さずバラバラに積み上げました。バランスが悪く今にも崩れそうです。崩れないように4人の人がブロックを支えています。

人間の体と照らし合わせて考えると・・・

四隅のそろった10段ブロック=骨のゆがみのない体。

ブロックを支える4人はブロックのバランスが良いので支える必要なし=筋肉(四隅のそろったブロックでは人間が支える必要がないので筋緊張はおこらない)

四隅がバラバラの10段ブロック=骨のゆがみがある体


ブロックを支える人はブロックを支えるために筋肉を使うゆがんだ骨でバランスがくずれないよう筋肉は一定の緊張状態になる。

ブロックを支えている人たちは長年支えているとやがてバテテしまいます。これが筋肉や靭帯を痛める原因の一つです。オスグッド病もその中に含まれます。

話をまとめると、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)と膝下の骨である脛骨(けいこつ)のにゆがみが生じることにより、太ももの筋肉(大腿四頭筋)が通常よりも緊張状態になり、この状態で激しい運動をすると、脛骨粗面(けいこつそめん)でけん引力がかかり、痛みを引き起こします。

根本治療にはしっかりと足のゆがみを取り、筋肉が最小限の力で充分力を発揮できるようにしなければなりません。

足がどのようにゆがむとオスグッド病になる?


オスグッド病を引き起こす足のゆがみで特に関係が深いのは太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)とすねの骨である脛骨(けいこつ)です。大腿骨(だいたいこつ)は運動時歩行、ダッシュ、グッと体重を片側にかける時などに内旋します。 内側に回ることどのような運動をしても内旋するので、大腿骨(だいたいこつ)がゆがむときには内側に捻じれている状態になることが多いです。一方、すねの骨(脛骨)は運動時などの際、外旋(外側に回ること)することが多いため、歪むときも外側に捻じれている状態の事が多いです。

太ももの骨(大腿骨)は内側にゆがみ、すねの骨である脛骨(けいこつ)は外側にゆがむため、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)は捻じれた状態になるので、太ももの骨とすねのほねを通る大腿四頭筋、膝蓋靭帯は捻じれた形となり、緊張した状態になります。緊張状態である膝蓋靭帯は付着する脛骨粗面の成長軟骨部分を引っ張るため、オスグッド病になります。

野球少年には少なく、サッカー少年に多いのはなぜ?

オスグッド病は、野球少年とサッカー少年を比べて時にサッカー少年のほうが圧倒的に多見受けられます。この理由はサッカーのインサイドパスにあります。

インサイドパスの形は足を大き外旋(外側まわり)します。そのためインサイドパスを何度も繰り返しているとやがてすねの骨は外旋へゆがむことになります。上記でも説明したようにすねの骨(脛骨)が外側に捻じれてしまう。

また、バスケットボールをしている子たちにも多発しますが、バスケットボールは捻挫(ねんざ)を頻発するスポーツです。オスグッドを罹患している人は病院に行くほどではない小さな捻挫(ねんざ)を何度も繰り返していることが多いです。

捻挫(ねんざ)をすると外くるぶしにつながる腓骨(ひこつ)という骨がゆがみます。腓骨単発でゆがんでもすぐに痛みにはつながりませんが、長い間放置しておくと、だんだん骨のゆがみが他の骨への波及し、やがてどこか痛みを訴える世になります。膝痛、オスグッド病、股関節痛、足底筋膜炎などなど

整形外科での治療


①安静>整形外科で「オスグッドシュラッター病」と診断された場合「運動の中止と安静」が第一手段となります。

②シップ消炎鎮痛薬や痛み止めの飲み薬などを処方される場合もありますが、効果は期待できません。

③ステロイド痛み止め注射
医師によっては痛む部分にステロイド注射をおこなう場合もありますが、ステロイド注射は副作用も起きる場合があります。膝の場合の主な副作用として軟骨の変性や骨粗鬆症を引き起こす場合があります。その場の痛みを取るのには劇的な効果が期待できますが、お子さんの長期的な運動や大人になった後のことを考えるとあまりお勧めできません。私の患者さんで、昔注射を何度も行った経験のある方は30代を過ぎてから同じ部位に強い痛みを訴えて歩くのも困難な状況でした。注射を打った部分は変形をしており、ステロイド注射の副作用による軟骨の変性だったのかと思われます。

④ストレッチの指導。理学療法としてストレッチを指導してれる整形外科もあります。主にストレッチをする筋肉は太ももの前の筋肉大腿四頭筋ですが、他の筋もバランスを取るためにストレッチをかけていきます。
※特に大事な筋肉に対するストレッチを動画でまとめていますので参考にしてください。

整形外科での治療は残念ながら早期に回復させるための手段はなく、「痛みがおさまるまで安静」という考え方が主流です。もちろん熱心にオスグッドシュラッター病を早期に完治させようと頑張っている整形外科もあると思いますが・・・ しかし、学生スポーツにとって数カ月休むというのはとても辛い状況です。「大事な大会がもう間もなくあり休んでいられない」「大好きなスポーツができない」「レギュラー争いに乗り遅れてしまう・・・」「せっかく上達してきたのに休まないといけないの???」 など学生スポーツならではの悩みがあります。大きな人生で考えれば数十年のうちのたった一ヶ月かもしれませんが、学生にとってみればとても大きな数カ月です。少しでも早く痛みを取り除き、またスポーツに復帰できるようにすることがとても重要になります。

当院での治療

オスグッドシュラッター病は当院がもっとも得意とする治療の一つです。オスグッドスラッター病を根本から治すには根本の原因を解消しなくてはいけません。土井治療院では根本原因から解消し、1日でも早期に競技に復帰できるような治療をおこなっております。

①硬くなっている太ももの筋肉を鍼(はり)治療やスポーツマッサ―ジ等で緩める。
オスグッドシュラッター病の原因は太ももの前の筋肉(大腿四頭筋・だいたいしとうきん)の張りも関係していることを説明してきました。太ももの前の筋肉を鍼治療やスポーツマッサージ、整体で緩めていきます。あまりにも筋肉が硬くなってしまっていたら、鍼に電気を流すパルス療法もおこなう場合もあります。 この治療のみでもオスグッドが楽になることもありますが、根本の原因がまだ残っているため、太ももの前の筋肉大腿四頭筋を緩めるのみでは根本治療にはなりません。

②足の骨のゆがみを矯正して、痛みがなく再発のない足を作っていく。
「オスグッドシュラッター病の本当の原因」でも説明しましたが、根本原因は「骨のゆがみ」がとても関係をしています。そのため、骨盤から太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、足の骨(足根骨)を正しい位置に戻していきます。「骨のゆがみ」と一概に言っても
0、数ミリ~数ミリしか骨は動きませんが、その微量な歪みがあると筋肉を緊張させ、この状態で運動を続けると痛みを引き起こします。 土井治療院では真体療法、BRM療法という特殊な整体法を用いて足の骨のゆがみを整えていきます。実際の施術では何をされているかわからないほどソフトなタッチですが、実際には効果が大変高い治療法です。オスグッドシュラッター病の治療に対して様々な勉強をし、試行錯誤を繰り返した結果、一番効果の高い治療法を選択して現在の治療が最善だと確信しおこなっております。 スポーツが大好きな子供にスポーツを休ませることは、本人にとってはとても苦痛なことです。レギュラー争いに乗り遅れないよう痛みを無理してプレーを続けます。結果的に症状をさらに悪化させ、他の部位でかばいながらプレーをおこなうことで他の部位を痛める可能性もあります。私も学生時代、怪我をして「早く復帰しなくては」と焦り、痛みをかばいながらプレーをし、他の部位を痛めるという悪循環を繰り返していました。私と同じような経験を繰り返さないためにもできるだけ早期に治療をおこない、痛みがなくプレーが楽しめる体を取り戻しましょう。

自分でできるセルフケア

ストレッチ

オスグッドシュラッター病に効果のあるストレッチを動画で説明しています。現在痛みのある方は毎日続けてください。

※「ストレッチをすると返って痛みが強くなる」と言う方はストレッチを中止してください。膝蓋靭帯>しつがいじんたい>がすねの骨に脛骨(けいこつ)に付着する部位の炎症がかなり強いため、その時期はストレッチは中止してください。

マッサージ

動画で説明しているマッサージですが、これで痛みが増すということはまずないでしょう。しかし強くやり過ぎると返って筋肉が硬くなるので、強さは気持ち良い程度におこなってください。

鍼灸×スポーツマッサージ×整体を組み合わせた総合治療「土井治療院」

土井治療院

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